JAVAの開発に関わっていた1995年。私とチームのトップエンジニア3名で、JAVAが立ち上がった時には、JAVAがより多くの企業に使えってもらえるようにするために会社を設立しようという話になりました。開発に携わっていたわけですから、JAVAが優れたプラットフォームであることは十分承知していましたが、開発はその段階までであって、それを多くの企業の人たちに使ってもらうための有効なツールというものがありませんでした。つまり、JAVAの上に搭載するエンタープライズ向けのアプリケーションを作るためのツールがなかったのです。
あの当時は独特の時代で、ちょうどネットスケープ社が設立された直後で、初期のインターネット関連の企業が次々に誕生していた、いわばインターネットの黎明期でした。世間の関心も高く、JAVAを世界中のビジネスで使えるようにしていきたいという要望も強くありました。企業がインターネットを活用するためのプロダクトが求められていても、それに対応できる製品がなかったのです。
チャンスはあるのに、答えを出してくれるソリューションがまだ生まれていない、そういう状況でした。そうした時期に、有能なエンジニア3名とJAVAを意義ある形で世界に提供していくために、「マリンバ(Marimba)」を設立したのです。
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