オープンソースソフトウェアの開発者というのは、問題を解決したいという強い意志を持っている人たちの集まりですが、自分自身が手がけたことで問題や課題が解決し、他の多くの人がそれによって恩恵を受けるところに大きな喜びを見出しています。
たとえば、「アパッチ(Apache)」というWebサーバソフトウェアの場合、高い安定性と軽快な動作、豊富な機能を備えており、LinuxやUNIXプラットフォームは、MacやWindowsでも動くという動作環境を選ばない特徴を持っていることから、高い人気を誇るソフトウェアになっています。1995年にこのソフトウェアの開発が始まるまでの1990年代前半においては、バックエンドでWebページをしっかり落とし込むものがありませんでした。新しいWebサーバソフトウェアというものの必要性はあったものの、大きな会社がなかなか開発に着手しなかったことから、ブライアン・ベレンドルフ(Brian Behlendorf)氏とクリフ・スコリニック(Cliff Skolnick)氏を中心に組織されたアパッチ・グループが自分たちの手で開発し、それを広く公開したのが始まりとなっていたのです。
その後、世界中で人気が高まり、アパッチの普及促進を目的として結成された非営利組織アパッチ・フレンズによって、世界中のボランティアのプログラマたちが開発を続けています。今や世界で最も普及しているWeb サーバソフトウェアにまで成長しています。
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