たまたま残ったお金を子供や孫が手にするというのではなく、30年前から“想い”を持って積み立てたものであれば、額の大小に関わらず、その“想い”は確実に伝わるはずです。投資というのは、現物だけでなく、生命の連鎖のように、そこに込めた“想い”をつなげていくものであってもいいのではないでしょうか。
ケニアの環境活動家でノーベル平和賞受賞者のワンガリ・マータイさんの講演での中で、なぜ木を植えるかという話がありました。木が大きく育つことでそこに生命が集まり、生命体が宿る空間ができるからだというのですね。この話を聞いた時に、これだと思いました。
新しくコモンズという投信会社を起ち上げましたが、社名のコモンズは「コモングラウンド(共有地)」から来た言葉で、イメージとしては、種をまいて芽が出て、大きな木になって、その木陰でみんなが憩うという、まさに生命の宿り木の象徴なのです。思いを共有して、行動を共にできる人たちが集まれば、そこにはいろいろ面白いソリューションが生まれてくる、そういう考えで始めました。
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