私は何ごとも自分からアクションを起こしていくタイプです。外資系企業に転職しようと思ったときも、「東京銀行にいる者ですが、新たなことに挑戦してみたいのです。そちらに何かポジションはありますか」と、いくつかの銀行へ電話で売り込みました。そうしたときにバークレイズバンクからオファーがあったのです。新しく証券管理部という部署を作るから、そのプロジェクトに参加してほしいという、私にとっては願ってもない話でした。
実は東京銀行在職中から「次は証券の時代」と思って、証券を扱う仕事をやりたかったのです。しかし、社内で証券関連の部署に異動することはありえないことだったので、これは外に出るしかないと思っていた部分もありました。そこへ外資系銀行で証券管理の仕事ができる話をいただいて、双方のシーズとニーズがマッチしたわけです。
バークレイズバンク東京支店には2年間勤務しました。証券管理部を一から立ち上げるわけですから、システムをどのように構築するか、オペレーションをどのように組み立てるか、どういう人間をどのポジションに配置するか、といった案件をイギリス人のシニアスタッフと作り上げ、最終的にスタッフ10人くらいの証券管理部を立ち上げることができました。ところが、何もないところから作り上げるのはものすごく面白いのですが、それが完成して稼動し始めると、また次に新しいことをやりたくなるのです。もちろん金融界での新しい仕事ですが、もっと金融の知識を体得したということが常に自分の中にありました。
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