派遣社員としていろいろな銀行で働いているうちに、たまたま東京証券取引所(以下、東証)から派遣会社を通して私にオファーがきたのです。これは本当に幸運でした。東証に勤務したことで、自分がやりたいと思っていた議決権行使という仕事に出合うことができたからです。母親の言葉を借りると、これは「神のお告げ、神のお導き」ということになるらしいのですが、そう思えるほどの大きな人生のターニングポイントになりました。
課長職として採用が決まった2002年から東証でも女性の総合職が誕生し、女性の活躍する場が広がったと時期でもあります。しかし、何十年かぶりで組織に戻ったわけですが、派閥や人間関係の壁に何度も突き当たり、仕事はなかなかスムーズに運ぶことができませんでした。
それでも東証ではいろいろなことを勉強しました。東証は、証券業界と違った特殊な機関であり、東証でしか学べないことを学ばせていただき、現在の会社を起業するときの原動力になりました。東証には2年間ほどお世話になり、その後はIRRCという議決権行使関連の情報サービス会社に勤務し、議決権行使の代行業務に携わりました。また、コーポレート・ガバナンスに関わる情報サービスなどの商品開発なども担当し、二度目の起業への基盤作りもできました。
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