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Front Interview
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第3話 第4話
Vol.033 リッキービジネスソリューション株式会社 代表取締役 澁谷耕一第3話 縁
コラム(3) パーソナル・データ(3)
情報の共有
 私は人間にすごく興味があります。とくに企業経営者や銀行幹部のお話を聞くのが大好きです。だからでしょうか、インタビュー取材以外でも「澁谷さんと話していると、まるで取材を受けているようだな」と言われます。これは相手の話を聞くときに、必ずメモを取るからでしょう。オフィスで面談するときはもちろん、お酒の席でもメモを取ります。酒席のほうがいい話を聞けることが多いからです。それと「社長、もう一つうかがってもいいですか」が、私口癖になっているからかもしれません。
 いろいろな経営者の方とお会いして、そのときにうかがった印象的な言葉やエピソードなどをメモし、それをまとめてウェブサイトや情報誌に掲載しています。千葉県の亀田総合病院は患者さんから高い評価を得ている病院ですが、取材したときに亀田信介院長は「医者は患者には情報を提供して、その情報を患者と共有するべきです。共有した上で患者とともに病気と闘うことが大事です」とおっしゃっていました。医者は患者に対して情報を提供したがらないそうですが、それは火を恐れるようなものと院長は言います。
 この話を「火を恐れるようなもの」とタイトルを付けてメールマガジンで配信すると、大きな反響がありました。トヨタ自動車の張富士夫会長の講演では「困ると知恵が出る」という話を聞きました。張会長の若いころの経験だそうですが、人間はアイデアを考える期間が短くなると知恵が出るということです。これはいい話だと思ってメモするわけです。

コミュニティからネットワークへ
 今、大企業、中堅・中小企業を問わず、課題や問題のない会社は一つもありませんし、安定している会社もないという状況です。黒字の会社ですら倒産する時代ですから、経営者の方は大変苦しんでいると思います。
 そういう時代だからこそ、経営者の相談相手になって、社会貢献したい、社会のお役に立ちたいというのが当社の経営理念です。困っていることがあったらいくらでも話をうかがい、いろいろと手を尽くしたいと考えています。そのためには経営者のことをできるかぎり深く知り、ただ面談するだけではなく、その後のお付き合いを深めていくことが大切です。
 それにはネットワーク作りが欠かせません。複雑化、高度化する企業の課題を解決するためには、専門家や経験者のネットワークが必要です。かれらにソリューションを提供してもらうのです。私は自分でいろいろなコミュニティを主催してネットワークを広げています。その中でも、もう5年半続いているのが「昭和29年午年の会」です。何かの会を作るときに一番いいのは同い年の会だろうと考えて、昭和29年生まれの人たちをインターネットで調べてメールを配信して会が発足しました。発起人はフジテレビ報道キャスターの黒岩祐治さんと私で、私が世話人を務めています。午年の会には、俳優の石田純一さん、片岡鶴太郎さんなど30人くらいのメンバーがいます。異業種交流のような会ですが、最初の頃は、私の自宅でパーティを開いていました。



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