興銀時代に2回コンサルティング部門に在籍し、事業戦略のコンサルタントをしていました。私が経営者の方にアドバイスをすると、「澁谷さん、それはあなたが興銀にいるから言えることであって、実際の企業経営はそんなに簡単ではありません」と言われました。そう言われても、私は経営者の経験がないので反論ができません。「そうですか」と言うしかないのです。
コンサルタントは「こうすると会社は成長します」、「経営課題の解決ができます」と指導しますが、実際に自分でその会社を経営するわけではありません。自分が会社を一度経営してみないと、経営者に対して良きアドバイスはできないだろうと思いました。自分の会社を経営して初めて、48歳からでも起業できます、成長できます、社員を雇用できますと言えるわけです。
今でも興銀時代の先輩方から、事業はいろいろと手を広げないほうがいいと忠告されます。失敗するとコンサルタントとしての道が閉ざされるというのです。ありがたい言葉だと思いながらも、そういわれると僕はやりたくなってしまう性格なのです。もちろん、致命的な失敗はしてはいけませんが。プラスの今泉嘉久会長は、アスクルという社内ベンチャーを東証一部の企業にした方ですが、「たくさん失敗するほど成功する」と言っています。リスクを重ねて、チャレンジしていく姿勢も企業経営には必要ではないでしょうか。
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