社員には「夜遅くまで残業したり、休みをあまり取らない」という働き方はできるだけしないように言っています。自分に自信と実力があって、本当にがんばって結果を出せたら、1週間でも2週間でも休暇をとればいいと思います。これは興銀時代からの私のスタイルで、朝9時に出社して、夕方6時には退社していました。残業はあまりしませんでした。上司から注意されることもありましたが、時間を有効に使って企業の新規開拓を行って成績を上げて、やるべきことをやっていましたから、時間を無駄に使って残業をやるよりは生産的だと思っていました。こうした効率性とか生産性を考えて、自立した働き方をしてほしいと、セミナーに参加する銀行の営業マンの方々にも話しています。
経営者の方には、鳥の目、虫の目、魚の目という「3つの目」の話をします。これはイトーヨーカ堂創業者の伊藤名誉会長からうかがったお話です。鳥の目は、政治・経済情勢などを俯瞰するマクロ的な視野の必要性です。虫の目は精緻なミクロ目でビジネスに関して細心の配慮をすることです。魚の目は潮流を読むことです。社会環境の変化をいち早く読み取り、それに即応する判断力を示します。
その中で今一番大事なことは魚の目です。世の中の流れや価値観の急激な変化、そうした時代の潮流を見極める目が経営者には必要なのです。以前でしたら上場企業が倒産することなどめったになかったのですが、現実に起こっている時代です。潮流を読む目を養うには、経営者が勉強するしかないわけですが、世の中の流れに関する情報を企業はもっとお金をかけて収集するべきだと思います。そこから得た情報に基づいて、経営判断をしていくことが重要なのです。
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