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Vol.025 さわかみ投信株式会社 代表取締役 澤上篤人第1話 立志

「お世話様で」
 世の中いろいろな人がいますが、みな社会とのつながりをもって人生を送っています。どれだけ、俺が俺がと意気がっても、自分一人で生きていくことはできません。どうせそういうことなら、みなが気持ちよく楽しく人生を送っていけるような社会を、みなで築いていけたらいいんじゃないのか。そこで大事になってくるのが、「おかげ様で」とか「お世話様で」といった、やさしさと思いやりの気持ちです。
 昔から「恒産なくして恒心なし」といわれているように、経済的にすこし余裕があった方が、社会全体にやさしさや思いやりの気持ちも出やすくなります。逆に、「貧すれば鈍する」でギリギリの生活をしていると、どうしても自分勝手のギスギスした生き方が多くなってしまいます。
 そう考えてくると、一般生活者の誰もが財産づくりに参加できる本格派の長期保有型投信があれば、どんなにいいだろうとなりますね。ここに、「さわかみファンド」を世に出そうと思った、そもそもの原点があります。

お金で世の中の摂理を知る
 実際にお金を長期運用していると、経済というものがわかってくるものです。そこで知ったことは、お金というものは、使わないといけないものであるということでした。抱え込んではいけないということです。みんなが使うことで、経済や社会が成り立っているのです。
 たとえば、お店でも仕入れをしなかったら、売るモノがないので商売ができません。あるいは企業でも、工場を建てなかったら、何も製造できず、商売になりません。同じように消費者も、お金を持っていたとしても、何も買わなければ、食べることができません。みんな、お金を手放すことで成り立っているわけです。
 みながお金を抱えているだけでは経済が回らなくなり、次第に停滞してしまいます。お金を持っている人自身にとってもよくないことなのです。そういう世の中の大きな摂理を意識しよう、理解しようということなのです。お金を稼いでもいいけれど、どんどん使いましょう。使うことで経済がグルグル回り、社会全体に、元気が出てくるのです。



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