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Vol.025 さわかみ投信株式会社 代表取締役 澤上篤人第2話 前を向く

投資信託の可能性
 私が投資信託という形式を選んだ理由は、誰でも参加できるからです。通常、株などの投資は、ある程度、まとまったお金がないとできません。でも、さわかみファンドは1万円から始められます。銀行など金融機関の口座から引き落として買うこともできますし、普通のサラリーマンにとっては、とてもアプローチしやすいものになっています。すでに我々のファンドは約11万人も参加している方々がいて、これが50万人、100万人にもなりうる。もっと大きな拡がりを持てる可能性を秘めています。そういう意味でも、投信というのは、すごい力を持っていると思います。
 普通、金融に関わっている人は1万円から始まるファンドでは、莫大なものになっていくとは思えないかもしれません。でも、私は確信しているのです。よいものであれば大勢の人が利用してくれると。市民バンクとかグラミン銀行とか、小ロットだけれども集まると莫大な数になっていく実例はあちこちで見られます。いろいろなところで動き始めているのです。そういう時代になってきているのかもしれませんね。
 投信のいいところは、何よりオープンなところ。私たちの運用理念や方針を見て、「よし、まかせてみよう」と思われるのでしたら、参加していただきます。もし、「もう、まかせられない」と思えば、いつ止めていただいても結構なのです。投資活動の状況を、リポートという形でしっかり見てもらって、賛同いただけるなら継続し、賛同できなければ退出しするというものです。単純に、そういうことです。

お金の使い方は生き方を表す
 まず、お金を動かすことが大事です。お金をどういう方向に手放していくかを考える。つまり、どう使っていくかで、その人自身のありようが問われるわけです。その人の価値観、あるいは想い、夢といったものがお金の使い方に顕れるからです。もちろんお金だけではありません。生き方そのものが、一人ひとりに常に問われているのです。
 今の日本では、お金を投資に使うことが特殊なように思われていますが、ちっとも特殊ではありません。どのような企業に投資するのかは、どういうようなお金の使い方をするのかと同じように、その人の生き様・人生観、つまり、どんな哲学を持って生きているか、が反映されてくるのです。
 私たちは「将来、こんな社会にしたい」というイメージを持って、それを実現してくれそうな企業へ投資し、応援します。この考え方に賛同していただける人たちの輪を、これからも広げていきたいし、そのような考え方ができる社会というのは楽しいと思います。



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