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Vol.025 さわかみ投信株式会社 代表取締役 澤上篤人第4話 循環

想いが集まる場
 学校をつくるにしても、そこでいちばん勉強しなければならないのは、先生です。勉強しない先生は必要ありません。厳しいですよ、学生に評価させるわけですから。次の世代を担っていく人たちが、真剣にものを考えて、真剣に学びたい、そういう学びたい心があって、さらにそれに応えようと真剣に勉強する先生がいるから、全体が伸びていくのです。
 過去の評論や海外の論文を引用するぐらいで満足して講義をしているような先生では務まりません。本来の教育の姿というものを実現したいのです。学校というものは本来、勉強したいから集まってくるわけで、学ぶことを学ぶ場です。そういう想いが集まる場所にしていきたいのです。社会に出るための単位がほしいという人は、他に行けばいいです。
 自分自身の探しているもの、やりたいことを学ぶ場所であって、学べば学ぶほど、いろいろな意味で社会とのつながりを意識できるようになるはずです。象牙の塔にこもった、頭でっかちな状態でとどまっていては、根無し草になっていくだけです。本当の意味での基礎研究というのは、また別だと思いますが。産学連携ということがよくいわれていますが、本来、学ぶ先にあるものは社会貢献です。社会に貢献できることで学ぶことと社会が結びついているのではないでしょうか。

夢を追いかける
 いずれ私は引退し、いつかはこの世を去ることになるでしょう。でも、これまでやってきたことは、社員たちの手で続けられていくはずです。第1フェーズは投信ビジネスを全うし、第2フェーズはビレッジを中心に社会のためになることへお金を投入することです。これは永久に続いていくものです。人が集まり、知恵が集まり、その中にいろいろな想いが集まって、それを具現化して社会とつながりながら、循環していくのです。想いや夢が実現のステージに入っていくわけです。
 そもそも夢というものは、与えられるものではありません。根幹は、社会であり、世の中にあるものです。チャップリンが言っているように、「人生は情熱と勇気と少しのお金があればいい」ということです。この言葉って、すごく素敵です。お金がまったくなかったら何もできませんが、過分にはいらないものなのです。
 今は勉強会があり、ビレッジ構想があり、いろいろな動きを始めていて、毎日充実しています。一つだけ文句があるとすれば、1日が24時間しかないことですかね。48時間あったら、どんなに幸せかと思います。やりたいことがたくさんあり、どれも中途半端にしたくないので、一つひとつ本気で取り組んでいます。だから忙しいですよ。夢を追いかけながら、ひたすら走っています。夢自体も次から次へと成長して変化していきます。そういう変化していくものを追求するのは面白いですね。



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