会社の収支が黒字に転化して、社会にお返しできるようになったら、いろいろなことをやっていこうと考えていました。そのときに使うお金は、もちろん会社が得た利益から出します。ファンドの純資産というものは、あくまでもお客様のものであって、わたしたちのものではないからです。
では、なぜ社会にお返ししていくのか、それは、会社を常に余裕のある飢餓状態に置いておきたいからです。人間は、貧しい時に真剣になります。それは会社も同じです。楽になってくると、必ず贅肉が付きます。心や頭に贅肉がつき始めたら、どうにもなりません。だから、意識的に飢餓状態に置こうということなのです。会社が得た利益の余裕部分は、世の中のためになることにどんどん使います。自分たちのための利益は、少し控えめにして、でも世のため、社会のためなら、贅沢にお金を使おうという意識を、社員一人ひとりが持っています。みんな、いろいろな夢を持っていますよ。ある社員は農業に関心があって、化学薬品や化学肥料を使わない循環型の農業をやってみたいといっています。「美味しそうな土というものを感じられる」というのです。その土からできた野菜の味も想像できるし、微生物にも興味があって、できれば研究して、農業に活かしてみたいと。
ここは、そういう夢が集まってくる場所なのです。常にそういう会社でいたいと思います。仕事ばかりでは、つまらないでしょう。そういう夢の向かう先が、社会のためになるということを意識できる人間が集まってくれば、楽しいじゃないですか。そういう集団にしたいのです。だから「組織」ではありません。仲間、同志が集まっているのです。今、約60名ですが、みんながいろいろ考えて、多様な夢を持っている、そういう場なのです。
|