2005年3月末に、名古屋鉄道(名鉄)の岐阜市内路面電車、および接続する郊外鉄道が廃止されました。海外では路面電車を活かした街づくりが盛んに進んでいる中、人口40万人の県庁所在都市の都心部に乗入れている路面電車の廃止は異例と言えます。利用人員や売上げ、費用構造などを調べると、やり様によっては経営が成立つように見えました。存続を希望する人は多数いて10万人以上の署名も集まりましたが、自ら事業を手掛けようという人はいませんでした。
私自身も、会社の仕事とは別に夜中と週末の限られた時間で、再生計画を作成して関係者の合意をまとめることは不可能でした。はたから見ると無謀に見えたでしょうが、岐阜路面電車を再生させる取組みに集中できるよう2005年4月末をもってJR東日本を退職しました。私の力不足により存続は叶いませんでしたが、良い経験になりました。
全国で地方鉄道の廃止が進む中、それを再生させたいと願う声は多数あります。LRT構想も堺・宇都宮・池袋をはじめ多数ありますが、その実現に熱心な鉄道会社はなく、自治体の検討では実現困難というものばかりです。地方鉄道の再生やLRTの実現をお手伝いできるよう、2005年12月に株式会社ライトレールを設立しました。
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