こうした話をすると、政治家・官僚・大学教授・評論家の道を勧められることが多くあるのですが、私自身は企業家という選択肢が最適だと思っています。企業家は、社会のニーズと最先端の技術に精通し、皆がハッピーになれるソリューションを提案したうえで、さらに実行できるのです。他の立場では、他人が実行する環境の整備やソリューションの提案しかできません。
現代社会でベンチャーというと、IT・バイオ・新素材が大半で、交通を商材とする会社は稀です。しかし、現在ある鉄道ネットワークの大半はベンチャー企業がつくりあげてきたものです。社会が交通問題の解決や既存鉄道の有効活用を望んでいるという追い風の中、既存の交通事業者が本業の展開に積極的でないのは、新参者にとって大きなビジネスチャンスです。
JR東日本を飛び出してから3年間が経過しました。商材の性格上、相応の売上げが上がるまでの仕込み期間を要し、支出先行すなわち赤字経営が続いていますが、ビジネスの種まきを重ね、大きく飛躍できる活路は充分にあると実感しています。交通問題解決をミッションにチャレンジを重ねていきます。
次号(2008年6月4日発行)は、 ウォーターグループ代表の 坂井直樹さんが登場します。
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