振り返ってみると、僕ら団塊の世代は、基本的には自分のことしか考えていなかったのではないかなと思います。僕もそうでした。でも今はちょっと違って、社会全体の幸せをどのように作るかが、大事なことだと思っています。とにかく、子どものころから競争、競争の世界で育ってきていて、学校の成績でも、必ず張り出されていましたね。やはり成績が下のほうだと淋しいし、恥ずかしいから競争になる。今でもそんなところは残っていますよ。競争が快感、競争症ですね。
阪神大震災あたりから若い人がNPOやボランティアをごくふつうにやり出すようになりましたが、これは素晴らしいことです。つまり、今の若者は余裕があるんでしょうね。豊かな人ほどボランティア活動する姿勢が強く出るものです。僕らにはそこまでの余裕はなかった、競争を勝ち抜くことで精一杯だった。
たしかに時代は変わったのですが、男の欲望はあまり変わっていないのです。結局、リッチ&フェイマス、お金か名誉しかないんです。たとえば、沖縄に60万坪の土地を購入して自立した国家にしたい、革命を起こしたいという人がいるとします。これは偉人になりたいという名誉かもしれません。あるいは土地利用でひと儲けしてカーネギーやビル・ゲイツになりたいとなればお金です。でも、偉人伝にしても尊敬されることが前提というのはおかしなことです。名誉は自分が求めるものではなく、他人から評価されて与えられるものです。ところが、女性の欲望はまったく違いますね、多くの方が愛と答えます。
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