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Vol.032 株式会社船井本社 代表取締役会長 船井幸雄第1話 有意

有意な人を探し出し時間を共有する
 病気が回復したといっても、もちろん100%健康になったわけではありません。他人からはわかりませんが、8月から左の顔面麻痺が発症し悩まされています。病気をして改めて考えたのは、自分が病に苦しむことになったのは今までの生き方が間違っていたということです。これは自己責任だ、1つの試練だと思います。
 病気をしていると体は苦しいのですが、不思議なことに頭は冴え渡り、世の中のことがいろいろとわかってきました。一番心配することは人類の行く末です。このままの状態が続くと人類は滅びる、滅びないようにするにはどうするか。そればかりを考えるようになっていました。そういう思考が強まると、自分が生きてきた過去のことなどどうでもいいように思えてきたのです。これまでは人を喜ばすことを目的に、目の前にあることだけを一生懸命にやっていましたが、いつまでもそんなことやっていていいのだろうかと疑問にかられました。400冊近くの著書にしても世の中を知らないで書いたものばかりだったような気がして、最近は過去に書いた著書を読み返すこともなくなりました。
 10年ほど前から「百匹目の猿現象」を起こそうと、いろいろな活動をしてきました。これまでは、なかなか理解してくれない人にもわかりやすく説いてきたつもりですが、最近は理解できない人を説き伏せる時間的な余裕などはないことを実感しています。これからは有意な人を探して、そういう方々と時間を共有するべきだと、私の考え方が変わってきました。この件は、9月に出版された『有意の人』(徳間書店刊)と『生きる!!』(あ・うん刊)をお読みいただければわかるかと思います。

自分の使命を果たすために生きる
 最近は体調のこともあって、有意な人としか会っていません。有意な人かどうかは簡単にわかります。「百匹目の猿現象」「Oリングテスト」「EM(有用微生物)」を知っていますかと聞いて、3つとも知らない人は有意な人とは言えません。知っているといっても言葉だけでは困ります。人に説明できるくらいに知っている方が有意の人だと思っています。
 今願っているのは、日本人の100万人くらいが有意の人になってほしいということです。そうなれば日本の将来がうまく行く可能性が出てきます。たぶん今年で最後にする予定の10月の「船井幸雄オープンワールド2008」で1万数千人が集まりますから、そこがターニング・ポイントになるといいなと思っています。今年と来年は、人類が再生できるか、滅びるかの分かれ道です。「オープンワールド」では25人から26人の講師が講演しますが、その人たちの話を理解できる方々が数千人1カ所に集まってくれたら、百匹目の猿現象を起こせると思っています。
 人類は1万3000年前の滅亡の時代直前に逆戻りしているようです。私は原始人から出発して人類が成長してきた約1万3000年のプロセスを75年間ですべて経験するために、今生は生まれてきたと思っています。そして、今までの人生は自分で選んできたことの積み重ねだと実感しています。会社の経営はグループ各社のトップに任せて、私は自分の使命を果たすために自由に生きようと考えています。これまでに蒔いた種がどう育っていくのか。それを見届けるのにあと10年は必要です。最後の総仕上げとして、少なくとも10年間は生き続けるつもりです。

(10月8日更新 第2話「理」へつづく)



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