大学は、京都大学農学部農林経済学科を卒業しました。生家が農家であり、当時の風潮もあってマルクス経済学に興味があったという程度の動機です。大学生活はごく平凡で、実家の農作業を手伝い、その合間に大学に通ったので、思い出といえば、友人たちとよくお酒を飲み、京大の学風の自由を謳歌したことでしょうか。結局、大学には4分の1くらいしか出席しませんでしたが、自分の中にリーダー的、カリスマ的な資質があることがわかりました。
私たちが子どもの頃は、小作争議が盛んでした。大学の卒業論文は「経済外共生と封建制」。地主小作制度がなぜあるのか、その矛盾を論じたものでした。昔から私は「人を差別すること」が大嫌いだったので、この制度は早くなくすべきだと思っていたら、戦争に負けて地主小作制度は解体されました。それと天皇制にも疑問がありました。今でも皇室にはたくさんの知人がいます。人間的には素晴らしい人が多く、大好きな人たちばかりですが、どうも制度としての皇室とか天皇というものは好きにはなれません。
もともと資格、肩書き、派閥というものは嫌いです。ビジネスの世界では、さまざまな制約やしがらみの中で生きざるを得ない状況にあるかもしれませんが、物事の本質から離れたことにこだわる人が多いように思えます。物欲や虚栄心、エゴや無理から来る「こだわり」は思い切って捨てたほうがいいのです。資格や肩書きなどは、人間が生きていく上であまり関係のないことだと思います。「こだわる人間ほど程度が低い」と思っています。地上にある制約やシステムなどに頼らない、物事にこだわらない人こそ強い人間といえるのではないでしょうか。
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